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COLLABORATION , INTERVIEW

Q-pot. デザイナー・ワカマツ タダアキ × 作家・辻村深月 特別対談

奇跡の出逢いから誕生したQ-pot."ドラえもんCollection"

2019.01.22


2月2日(土)に発売を控えた、Q-pot."ドラえもんCollection"

2019年公開3月1日(金)の『映画ドラえもん のび太の月面探査記』で

脚本を手がける作家・辻村深月さんと、

Q-pot. デザイナー・ワカマツ タダアキの

ふたりのドラえもんファンの特別対談を、

川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアムで行いました。


今回の対談は、ドラえもん作品を心から愛し、

藤子・F・不二雄先生をリスペクトしてやまない2人のクリエイターが語る、

ドラえもんに対する想いから、

アクセサリー企画誕生のストーリーまで、盛りだくさん。

 

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「あたりまえじゃない

〝あたりまえ〟を誰かに届けたい」

 

 


辻村(以下、T):「ドラえもん」の新作映画の脚本を手がけることになって、取材を受けるのは実は今回が初めてです。不思議なご縁を感じます。

ワカマツ(以下、W):出会いは、新聞の連載で取材にお越しいただいたのがきっかけでしたね。

T:毎日新聞に連載していた「日本新(ネオ)カルチャーを歩く」ですね(『ネオカル日和』収録)。

一回目が藤子プロさんで、二回目がQ-pot.さん。どちらも大好きだからこそ、すごく緊張したことを覚えています。

お会いしたらワカマツさんはやさしくて、以来、家族ぐるみで仲よくしていただいています。


W:「ドラえもん」映画の脚本を担当することになったのも、その取材からのご縁ですか?

T:遡ると、二〇〇五年に書いた『凍りのくじら』(講談社)では、主人公を「ドラえもん」好きの女の子にしていて、各章のタイトルにひみつ道具の名前をつけたんです。

その後、連載の取材をきっかけに藤子プロの方々と出会っていく中で、実は以前にも一度脚本のお話をいただいたのですが、そのときはお断りしたんです。

あまりにも好きだから、手を触れてはいけない、責任が重すぎるという思いがあって、できたら関わらずにいたかった。

毎年当たり前のように新作映画を観るのを楽しみにしていて、ただ「ドラえもん」を好きな側にいるだけでよかったんです。

でも、藤子先生の奥様やお嬢さんたちと知り合い、先生の作品に対する思いなどを聞いていくなかで、少しずつ覚悟が固まっていったように思います。


W:いざ関わってみてどうでしたか?

T:三〇年以上に亘って一年一年、必死に繋いできていたんだということを痛感しました。

同じ「ドラえもん」ファンでも、それぞれの〝ドラえもん観〞、〝藤子先生観〞があると思ったのですが、制作チームみんなに共通していたのは、〝面白いものを届けたい〞という気持ちでした。


W:物語はどのように組み立てていったんですか?

T:藤子先生自ら〝「ドラえもん」の通った後は、もうペンペン草も生えないというくらいにあのジャンルを徹底的に描き尽くしてみたい〞と仰っている通り、本当に原作が圧倒的なんですよね。

それでも、先生は現実にあることから不思議を作り出してこられたということを糸口に、身近な不思議な場所で、まだドラえもんたちが行ったことがないのはどこだろう? と考えて、月を舞台に選びました。

でも、書けば書くほど、なぜ先生ご自身がなさらなかったか理由がわかりました。

月面にのび太たちが降り立ったとして、まず酸素がない。この場所に誰かがいるとしたらどうしてこんなところを選んで住んでいるのか? と。

それでまずは科学系の専門誌を集めて、月について徹底的に調べました。


W:五月ぐらいかな? 脚本を担当することになったとうかがい、Q-pot.で「ドラえもん」のアクセサリーを作れないかとご相談いただいて、すごく嬉しいと同時に、びっくりしたんです。

T:Q-pot.のモノ作りへのこだわりを知っているからこそ、時間が限られている中でお願いしていいものか、とか、仲がいいからかえって断りづらいんじゃないか、とか悩んだのですが……。

W:実は、僕がQ-pot.を始めたばかりの頃、アイデアをノートに書き留めていたんです。

その最初のページに描いたのが、「ドラえもん」のアクセサリーなんです。確か、本の中にリングが入っているようなデザイン。

「ドラえもん」は誰が見ても楽しいし、誰が考えても日本で一番の作品。コラボレーションできる日が来たら、そのときは成功しているんだろう、と。

十八年ぐらい前の僕にとっては、目標というよりは夢にすぎなかったのに、それが叶ったんです。


T:今日できあがったアクセサリーを見せていただいて、漠然と思い描いていたものをはるかに凌駕していて感動しました。

青いマカロンかな?とか考えていたんです(笑)。

和菓子をモチーフにするなんて考えもしなかった。なぜ和菓子になさったんですか?

W:最初は洋菓子でも考えたけど、藤子ミュージアムを訪れてすべてデザインを描き換えました。

「ドラえもん」は日本の作品であり、〝日本の宝〞なので、やっぱり親和性が高いのは和菓子じゃないかな、と。

そこに日本らしい時間の流れ、四季を織り込もうと思いました。


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T:どれもこれも、実際のお菓子よりもお菓子らしい。練り切りのリングはほんのり透明感がありますし、鈴の最中も表面の僅かな凹凸までリアルです。

W:僕はモノ作りをする上で、先入観を持たずに、頭の中にある自分の思い入れを一番大事にしていて、今回もあえて原作は読み込みませんでした。

自分の持っているイメージを形にしたほうが、そのものズバリよりもリアリティが出ると思うんです。

最中も本来はないけど、パール加工を施して少しツヤを出したほうがイメージに近いし、ドラえもんが大好きなどら焼きにしても、普通は見えない、あんこを見せています。

大事な部分をフォーカスしたんです。

T:どれも素晴らしいけど、羊羹のネックレスを見て、本当にワカマツさんは天才だと思いました。

W:(笑)。僕が「どこでもドア」で行くならどこだろうと考えていたら、月の出ている夜空が思い浮かんで、夜なら黒、黒い和菓子というと羊羹だな、と。

どこでもドアの行き先の情景を表現したかったので、ドラえもんたちは後ろ姿にしました。

シルエットだけで十分、「どこでもドア」だと伝わると思って。


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T:Q-pot.のマカロンが登場して、逆に本物のマカロンのデザインが変わったと思っているんです。

Q-pot.のアクセサリーは、本物以上に本物。藤子先生への敬意が感じられる今回のアクセサリーも、「ドラえもん」という作品の本質が表現されていて、命が吹き込まれているようです。

藤子先生の作品はどの作品でも、日常から出発して、日常に帰ってくる。ドラえもんたちは恐竜時代に行っても、宇宙へ行っても、ちゃんと帰ってきて次の日には学校へ行く。

どんな冒険もコップの中の嵐なんですよね。

路地裏に潜んでいる、日常のファンタジー。藤子・F・不二雄作品とQ-pot.の共通点だと思います。

W:辻村さんの作品もやっぱり日常に隣り合わせている感じがありますね。

日常の中にファンタジーを求める気持ちは「ドラえもん」が当たり前のように存在していた僕らにとって、普遍的な思いだといえるのかもしれません。


T:今日の対談にご協力いただいた藤子ミュージアムって、藤子プロの方はもちろんのこと、

先生のアシスタントをされていた方も関わっておられて、先生のお人柄や、先生が制作チームをどれだけ大切にされていたかが伝わります。

私も、作り手として、学ぶことが多いです。

W:藤子先生がおられるような〝人を感じられるミュージアム〞ですよね。


T:「ドラえもん」の映画にしても、Q pot.のアクセサリーにしても、あるのが当たり前のように思ってしまうけれど、実際にはひとつひとつ、多くの作り手のすごい努力があって成り立っている。

あたりまえじゃない〝あたりまえ〟を誰かに届けたい。

でも、藤子先生が素晴らしい作品を当たり前のように送り出し普遍的なメッセージを伝えてくださったように、誰かの日常に当たり前を届けるのが、クリエイターの仕事であり、使命なんだと思います。



MIZUKI TSUJIMURA

辻村深月 小説家。2004年『冷たい校舎の時は止まる』(講談社)でメフィスト賞を受賞し、デビュー。

2011年『ツナグ』(新潮社)で吉川英治文学新人賞、2012年『鍵のない夢を見る』(文藝春秋)で直木賞を受賞。

今年『かがみの孤城』(ポプラ社)が本屋大賞を受賞し、大きな話題に

 

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大好評につき、一部アイテム

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【Q-pot. ドラえもん Collection】

発売日:2019年2月2日(土)

発売店舗:Q-pot.直営全店

Q-pot. ONLINE SHOP(お昼の12時~)

藤子・F・不二雄ミュージアム

※発売初日のお取り置き・お取り寄せ・

お電話での配送依頼はお受け致しかねます。

予めご了承ください。


【Q-pot. SEASONAL LOOK BOOK ~CAKE~ 発売中】

【発売場所】

全国書店

Amazon

【価格】

1,900円(税抜)

MOOK詳細はこちら

 

 

『映画ドラえもん のび太の月面探査記』

2019年3月1日(金)公開

脚本:辻村深月  監督:八鍬新之助

映画ドラえもん 詳細はこちら

 

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